知っていますか。わたしたちの日常は騙しのテクニックに溢れているってことを

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「ねえ、最近ジョギングしていないようだけど やめちゃったの?」

日曜日の午後、テレビの前でくつろぐ山下さんに奥様が問いかけます。

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「この前再開しようと思っていたんだけどさ、ここのところ雨ばかりだろ」

「またぁ そうやってすぐ言い訳する 雨って言っても小雨じゃない。この程度なら走っている人いっぱいいるわよ」

「ん~。じゃあ ちょっと走ってくるか」

あまり気が乗らないまま山下さんがジョギングウェアに着替えはじめます。

「あら、やる気になったの。 そうだ、ついでと言っちゃ何だけど帰りにシャンプー買ってきてよ」

「・・・。」

気の優しい山下さんはポケットに小銭入れをそっと忍ばせるのでした。

 

奥さまの手の上で転がされている山下さん。夫婦の間のことなら良いのですが、上手く口車に乗せられてしまい大きな失敗に。なんてこと、結構あるようですよ。

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方法を知って賢い中高年になりましょう


 

 

特殊詐欺がこれだけ世の中に知れ渡っているにもかかわらず、被害にあっている高齢者は減るどころか年々増加の一途だそうです。

 

しかし、詐欺とまで言えないけれど何となく後になってから「あー、またいらないものまで買わされてしまった」などと後悔することありませんか。

 

それほど必要としていたわけではないのに、いつの間にか契約していた。何となく断るのが悪いような気がした。買うときには納得したはずなのに後になって腑に落ちない。

誰にでも1度や2度はこんな経験があるものです。

 

 

なぜ、こんな経験をしてしまうのでしょうか。

そもそも、特定の収集家なら別ですが、ある程度年齢を重ねた中高年は若い時と同じようにあれも欲しい、これも欲しいなどと思わないものです。

これまで様々な経験を積んで、それなりに社会を渡り歩いてきて分別も身に着けてきたはずなのです。

それなのにいらないものまで買ってしまうのは、買ったあなたに原因があるのではく、売り手は綿密に計算してあなたが買わなければならないように仕向けているのです。

 

 

こうした買い物の場面だけでなく、私たちの日常にはあらゆる場所で「騙しのテクニック」が使われています。どのような方法があるのか。少しでも知っていれば後悔することを減らすことができるかもしれません。

 

罠のはめ方でコントロールする


 

①誤前提提示

あまり耳慣れない言葉ですが、二つの条件を提示してどちらかを選択させるというテクニックです。

 

「ちょっと忙しいからこの仕事手伝ってくれない?」と

「コピーかデータ入力。やってくない?」の違いがわかるでしょうか。

前者は頼まれた側に手伝うという選択もあれば手伝わないという選択もあります。ところが後者には手伝うという前提があって、その内容についてのみ選択権があります。

 

頼んだ側は相手がどちらの仕事を選択してもかまわないわけで、どちらでも頼んだ側の利益になります。

 

相手の都合という前提を省き、自分の都合の範囲のみで選択を迫るというやり方です。

 

 

このテクニックと似たものとして「あなたは猫派ですか、それとも犬派?」という質問があります。どちらも好きという程ではない。あるいは鳥のほうが好きという方であっても「うーん。どちらかと言えば犬ですかね」などと答えてしまいます。あなたがどのような動物を好きなのかという前提をはじめから省いた質問なのです。

 

②ダブルバインド

2つ以上の矛盾した意味を持つ言葉であなたの心を拘束してしまうという方法です。

 

2つ以上のメッセージを受け取ったあなたはその矛盾を指摘することができず、さらにそれについて応答しなければいけない状況にしてしまいます。

 

「さあ、何でも好きなものを注文していいわよ」母親にこう言われて以前から食べたいと思っていたものを注文しようとします。けれどメニューの名前を聞いた母親から「なぜもっと栄養のあるものにしないの。だからあなたは・・・」などと叱られる羽目になりせっかく楽しみにしていた外食が台無しに。

ごくありふれた光景ですがこの会話はまさにダブルバインドそのものなのです。

 

ダブルバインドが発生するには2人以上の関係があって、1つ目のメッセージが発せられた後に矛盾した2つ目のメッセージが発せられます。この時、どちらののメッセージも受け手側にとって都合の悪いものになります。そしてこの矛盾から逃げられない状況に追い込まれ、繰り返されることで受け手にとって大きなストレスになります。

 

 

高額な契約を結ばされて逃げるに逃げられない状況に追いやってしまう。ほとんどがダブルバインドのテクニックによって引き起こされているのです。

 

③ローボールテクニック

始めに簡単だと思える条件を出して後から難題を承諾させるテクニックです。

 

「ただいまこちらの商品を契約していただくと通常の5割の価格でご提供できます」

「では、契約します」

「ただし、2年以上の継続契約に限ります」

「まあ通常より安いから良いかな」

 

通販などで見られる販売方法です。最初に条件の良いプランを提示することで商品購入の抵抗を低くし、そのあとで別の条件を提示して了解させます。

 

 

すべての人がこのテクニックに乗せられるわけだはありませんが、効率の良い手法として多くの販売業者が使っています。

 

 

また、日常の中でもこれと似た場面はあります。

「今度の週末○○と飲みに行くけど一緒に行く?」

「3人ですか 楽しそうですね ぜひ同行させてください」

当日になって

「悪いね。○○の奴急にこれなくなったって」

(行くって言っちゃったし 今更断れないかな)

 

偶然ならしょうがないのですが、このテクニックを知っていたとしたら・・・。

自己肯定が自分を縛り付けてしまう


 

わたしたちは意外にもこうした「騙しのテクニック」に何度も乗せられてしまいます。

「もう、二度とこんな無駄なことはしない」と固く心に誓っても知らないうちに同じことを繰り返してしまいます。

 

じつは、こうしたテクニックに対して「騙された」と本気で思えていないようなのです。

①認知的不協和理論

ひとは自分が不利に陥った時、その状況を否定したいという欲求が働きます。

 

理想と現実とに開きがあった場合、この開きを何とか埋めたいと考えるわけです。これを心理学の世界では「認知的不協和理論」と呼びます。

 

たちえばあなたが新しいパソコンを購入してそれを周囲の人に話したとします。

「へー。いくらくらいしたの?」

「○○○○○○円だったかな」

「え、そのスペックでそんなに どこで買ったの?」

こんな風に言われ、失敗したかなと思いながらも

(安いものを買っても 使い勝手が悪ければかえって損だよな)

などと自分の行為を正当化しようとします。

認知的不協和理論を使って自分を納得させてしまうというのはよくあることです。

 

②一貫性の原理

自分で決めたことを途中で投げ出すことに罪悪感を感じるひとは多いものです。特に、私たち日本人は生真面目なひとが多く、「一過性の原理」に支配されやすいようです。

 

たとえば、今ならこのアンケートに答えるだけでこちらの景品を差し上げます。などと言われ、結果的に10分以上アンケートに応えなければならないとします。

 

(それほど景品に魅力があったわけでもないんだがなぁ)

などと後悔しますが一度引き受けたしまった以上、途中で投げ出すのはよくないこと。ましてや大人として無責任な態度はとれない。などと自分を納得させて最後までアンケートに付き合ってしまいます。

 

 

はるか昔、「一度取り組んだことは最後まであきらめずに頑張りましょう」小学校の教室で言われたことをいまだに守ろうとしているのかもしれません。

 

③サンクコスト効果

効果があまり見込めない事柄に対し、それまで費やした時間や経費を惜しんで引き返すことができない状態のことです。

 

あれこれ悩んで普段よりも遠い場所まで買い物に行ったとします。ところが想像していた価格よりも高い値段が表示されていました。

(ちょっと高いけどもう何日も検討して1時亜kン以上もかけて買いに来たのだからこのまま買わずに帰るわけにはいかない)

このような心理が働くのです。

 

費やした時間を無駄にしたくない。これも自己の行動を肯定したいという気持ちが強く働いた結果でしょう。

 

おわりに


 

「ただいまぁ シャンプー買ってきたよ」

「あら、ありがとう。 疲れたでしょ ところで今夜、焼肉屋さんとパスタ屋さん どっちへ食べに行く?」

(え、また外出しなくちゃいけないの?)

重い足をひずりながら一瞬目を丸くした山下さんでしたが、『肉。かな?』と考えるのでした。

 

 

わたしたちの社会は成熟すればするほど複雑になり、認識の如何にかかわらず行動を決められてしまいます。なるべく後悔を少なくするためには他人のペースに巻き込まれないよう、自分のペースを維持することが大切です。

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