あなたの機嫌は周りの誰かに操られているのかもしれませんよ

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「ただいまー」

山下さんが疲れた顔をして玄関から入ってきました。

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「遅かったわね  ごはん、まだでしょ?」

山下さんの奥さまがソファから立ち上がってキッチンに向かいます。

「うーん、あまり食べられないかもしれない」

上着を脱ぎながら山下さんが答えます。

「え、どこか悪いの?熱は?風邪ひいた?お昼に食べたものがあたったとか?」

「いや、ちょっと興奮してるっていうか 気持ちがたかぶって」

この言葉に山下さんの奥さまは食器を並べる手が止まります。

「えー、いきなり何よ 帰って来て早々に変なこと言わないでよぉ」

少し上目遣いになりながら山下さんを見ています。

山下さんは奥さまの素振りを見ることもなく話します。

「さっきこの近くで車の正面衝突を見ちゃってさ。 あー、今でも心臓がばくばく」

「あ、ああ そういうこと。  はっきり言わないから・・・」

拍子抜けした声で奥さまが答えます。

「目の前であんなもの見たら落ち着いてなんていられないよ 目の奥でまだ残像がちらつく」

「なんだか大変そうねぇ でも、わたしは食べるわよ お腹空いてるし」

「いいよ きょうは気が動転しすぎて何もする気になれない」

『そんなに繊細だったかしら?』奥さまは心の中でつぶやきながら唐揚げを口にしました。

 

山下さんでなくてもわたしたちは様々な出来事に心を動かされ、そのたびに気持ちが浮き沈みします。どうすれば周囲に影響されず楽しい気持ちを維持することができるのでしょうか。

 

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この世の多くはどうでもよいことばかり


 

毎日のようにいじめや自殺、凄惨な事件のニュースが飛び交っています。テレビ番組の作り手は被害者がどれだけ善良であったのか、加害者がどれだけ非道であったのかを効果音を添えて受け手である視聴者に伝えようとします。

 

あるいは政治家の汚職や省庁職員の不手際などが明るみに出ることもあります。このような場合、事件を報道する側は社会正義という盾を使って凶弾します。

 

いずれの場合も受け手である私たちは良い気分でいられるわけがなく、暗い気分になったり、怒りを感じ、一定期間そのことを会話の中に織り込んだりします。

こうしたことは日常の何気ない光景のようですが、あまり暗いニュースや話題にのめりこみすぎるのは決して良いことではないようです。

 

暗いニュースに心を引っ張られた状態でいると、脳はそうしたものを肯定したものと認識してしまいます。知らず知らずのうちに暗いニュースを探してみたり、芸能人の悪口が書かれたサイトを検索するなど、どんどん暗い話題へと思考が向けられていきます。

 

このような状態が続いてくると今度は受け手でいることに満足できなくなり、あらゆる不満を発信せずにいられなくなります。

以前であればご近所の中の陰口や知人に対する悪評を振りまくような行動をとっていたのですが、現在では個々の発信端末を使って様々な中傷をばらまく人が問題になっています。

SNSでは根拠のないうわさが飛び交い、それがあたかも真実であるかのように広がっていきます。

 

 

一度脳が肯定的に捉えてしまったものを変えるのは大変難しく、そこから抜け出すためには適切な精神治療が必要とさえ言われています。

 

 

世の中の多くの事件や事故は自分にとって直接関係のないもの。むしろどうでもよいことの方が多いのだと認識することが大切です。テレビから流れてくる話題であなたの心を暗くしたり、不機嫌になる必要は全くありません。

政治家がどんなに汚いことをしていても、あなたがそのことで気分を害し、せっかくの青空の美しさに気づけないなんて本当にもったいないことなのです。

 

他人の機嫌で自分の気分を害してはいませんか


 

あなたの職場にいる同僚や上司、あるいはパートナーの機嫌が悪い時、機嫌を取ろうとしてかえって相手の機嫌が悪くなるなどの経験はありませんか。

 

機嫌の悪い人はその人の都合で機嫌が悪いのであって、その人の中でその都合が解消されない限りその人の機嫌がよくなることはありません。

たとえその都合の原因があなたにあったとしても、あなたにその原因を取り去ることは不可能です。

 

例えばあなたが何かに対する考え方を述べたとします。相手はその意見に対して好ましくないと考え、次第に機嫌が悪くなります。

 

しかし、その判断基準は相手側にあるのですから、あなたがいくら機嫌を良くしようと相手に働きかけても相手の判断基準自体を覆すことはできません。

 

相手の機嫌を気にするということはあなたの行動を相手に合わせてしまうことと同じです。結果、あなたの気分がそのことによって害されてしまい、必要のない不満を抱くことになります。

 

こうした不機嫌人間に巻き込まれないために、機嫌が悪いのはその人の都合で機嫌が悪いのであって、それを解消できるのはその人以外にはいない。と考えることが大事です。

 

誰かが機嫌を悪くしていても自分だけは機嫌よく暮らす。これを大切にしてください。

 

 

他人があなたをどう思うのかはあなたの責任ではない


 

「他人から悪く見られたくない。」「できることなら皆から良い印象を持たれたい。」多くの人はそう考えますし、それを念頭に置いて行動する方が良いと教えられて育ちます。

 

しかし、現実に誰からも好かれる人など存在しません。人にはそれぞれの好みがあってあなたがそのすべての好みに応えて生きていくことなどできるはずがありません。

 

人はそれぞれの環境下で育ち、生活する中で嗜好や考え方が確立されていきます。

同じことを経験しても個々がその現象にどのような意味を与えるかで世界は全く違ったものになります。その結果、人にはそれぞれ見方、考え方、生き方、行動に違いが生まれます。

 

そうした「経験」というフィルターを通してあなたを判断するのです。

物事を厳しく見ることを常としている人にはあなたの態度がいい加減に映るかもしれません。

甘やかされて育った人にはあなたの注意をいじめと感じ取ってしまうかもしれません。

 

したがって他人があなたのことをどう思うのかはあくまでも他人の課題なのであってあなたの課題ではありません。

 

また、誰かがあなたに「○○さんがあなたのことをこんな風に言っていたよ」と告げ口をしてきてもそのことに心を動かされる必要はありません。

その誰かは告げ口によってあなたが気分を害するのを見て楽しんでいるだけなのです。さらに噂の元となった人とあなたが仲違いすることを楽しんでいるのです。

 

あなたのことを誰よりも理解しているのは他ならぬあなた自身です。相手の偏ったレッテルに応える必要は全くありません。

 

誰かが作り上げたあなたを演じてはいけません


 

「あなたは本当にいつでも明るいわね」あるいは「いつもうつむいてばかりで暗いわよ」

このようにあなたは○○だ。と決め付けられたことはないでしょうか。

 

この決め付けは親がこどもに対して多く使っています。

「あなたは元気で明るい子」

「あなたの笑顔はみんなを楽しくさせる」

「あなたはシッカリしている」

「あなたは足の速い子」

 

一見こどもを励まし褒めているように見えますが、こどもの側はその期待に応えれば親に褒めてもらえる。あるいは期待に沿っていれば捨てられることはないと無意識に感じ、親が思うような行動をとっているのです。

 

 

こどもでないあなたも周りの期待に応えようとしてはいませんか。

誰かが作り上げた架空のあなたを一生懸命演じてはいないでしょうか。

 

心の中では『明るい自分を続けるのが苦痛だ』『静かな場が好きなだけなのに』などと呟いてはいませんか。

 

 

周りが思うあなたの像は周りが勝手に作り上げた偽物のあなたです。あなたにはこうあって欲しいという願望によって作り上げられたものです。

 

これを悪用し、マインドコントロールしてしまえばあなたを思い通りに動かすことができてしまいます。

あなたは○○だと言われ続けているうちに自分でもそうなのかなと思い始め、本気で自分の性格が相手の言ったとおりだと信じ込んでしまいます。

「だから私の指示に従っていれば間違いはない」そのうちこのように言われてあなたは疑いもなく相手の言いなりになってしまいます。

 

これは決して大げさなことではなく、多くの企業でも多かれ少なかれこのようなコントロールで従業員を支配しようとしています。

 

誰かが作ったあなたの像とはその誰かにとって都合の良い像にすぎません。

 

 

自分の機嫌の良し悪しを誰かに依存しないというのは周りを無視して勝手気ままな行動をとることではありません。

自分の機嫌を自分でコントロールできればもっと自由で明るい毎日を送ることができるのです。

 

おわりに


 

山下さんの奥さまが食事を終えようとしています。

「あー、そうか。ハハハ ごめんごめん。勘違いさせちゃった?」

山下さんが突然キッチンにやってきて話します。

「今度は何よ?」

怪訝な顔をして奥さまが山下さんの顔を見上げます。

「いや、さっき興奮してるって言った後、ちょっと様子がさ。 その・・別のこと 考えた?」

何だか妙にはしゃいでいる山下さん。

奥さまは食器を片付けながら山下さんに言います。

「で、次はお腹空いたって言うんでしょ。一度その頭の中を覗いても良いかしら」

 

 

どうやら山下さんの気分は元に戻ったようです。

 

様々な情報が溢れる中で生きる私たちが自分の感情をコントロールするのは難しいのかもしれません。しかし、周囲のネガティブな情報に振り回され、そのことによって行動がコントロールされてしまうというのは大変不幸なことです。

 

あなたという存在は他の誰にも代えることができません。そして、周りの誰かもまた、「かけがえのない貴重な存在」です。

自分が振り回されないのと同じく、周りの誰かを偏った目で見ない努力も必要ですよね。

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